Blogブログ
人災
2022.08.23
昨日、藤が丘の丘陵地の水難事故を書きましたが似た例の災害を思い出しました。
あの当時は名古屋市の人口が爆発的に増えていて名古屋市郊外では宅地造成が急ピッチで進んでいました。
そして私が住んでいる緑区でも洪水が発生しました。
近くを扇川という小さな川が流れています。
この上流に徳重(現地下鉄の駅)と言う所があり、そこから1キロぐらいさかのぼった所に造成地用の調整池があります。
この調整池が扇川の水源でした。
当時の扇川の川幅は広い所で5mぐらいでした。
伊勢湾台風の時でも氾濫しなかったという川です。
それが簡単に氾濫しました。
原因は、宅地造成で地面の保水力が著しく減少したことです。
何故保水力が減少したかと言うと、それまでは山なり、田んぼだった所が宅地造成で家がアッという間に立ち並びました。
降った雨は土にしみこむ間もなく屋根から下水に流れそれが小さな川に流れ込みました。
小さな川はあっと言う間に氾濫しました。
私の住んでいたところも床上浸水しました(今はその場所より上流の水没しない場所に住んでいます)。
床上浸水してからは、それがトラウマのようでちょっとした大雨が降ると床上浸水をいつも心配していました。
その後扇川は改修され川幅が倍以上に広くなりました。
この改修も欠陥がありました。
扇川が天白川と合流するほんのちょっとの上流に名鉄電車の鉄橋があります。
扇川の川幅は広くなったのですが、この鉄橋の場所だけは以前のままでした。
それが東海豪雨の時にこの鉄橋が原因で川が氾濫しました。
鉄橋の部分は橋脚用にコンクリートの土台があるのですが、そこが狭いのでちょっとした関のようになり大雨が降ると川の堤防を乗り越えるように水面が盛り上がり、そして付近の住宅地が床上浸水しました(バックウオーター現象)。
この当時、名鉄鳴海駅は地下トンネルで上下線が結ばれていたのです地下トンネルが水没しました。
その後名鉄鳴海駅は高架の駅に建て替えられたのですが、扇川の鉄橋はそのままでした。
今でもこの鉄橋のある場所は大雨が降ると床上浸水の危険があります。
名古屋鉄道は「渋い」(お金を出したがらない)ので有名ですが次に浸水が発生した時は責任の所在はどうなるのでしょうか?
私は、人災だと思っています!